先週の説教要約 「エルサレムから」

エルサレムから』                    上中光枝牧師
《わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい》。(ルカ24:44−53)
エルサレムは神の都として知られていました。そこで主イエスは十字架につけられました。弟子たちは、夢破れ、逃げてしまった自分たちの姿にも失望し、恐れに充ちて鍵をかけた家の中に閉じこもっていました。
しかし、復活の主はご自分が生きておられることを様々な形で現わされました。また、聖書をひも解き、心を開いて聖書を悟らせました。そして、主イエスより罪の赦しを得させる福音が世界に広がると告げられます。主は《エルサレムから始めて、あなたがたはこれらのことの証人となる。わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい》と約束を与え、天に昇られました。神の計画を理解させるだけではなく、内側にも外側にも働きかけて弟子たちを聖霊の力で覆い、閉じこもっていた彼らを主イエスの証人として派遣されるのです。
復活の主に招かれ、ガリラヤから歩み直した弟子たちと、主に従う人たちの一行は、再びエルサレムに集められ、約束を信じてひたすら祈り求める群れとなりました。このひとりひとりの上に約束の聖霊は注がれました。ペトロは《あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです》と証言を始めます。人々は、何でもない人たちが力強く語り、神の業を現わすのを見て、あの人たちは、ガリラヤ出身の人たちではないか、つまり名もない田舎者ではないかと驚きます。約束の聖霊は、無名の欠けだらけの人を変えて、主の証人とされたのです。
福音の広がりはエルサレムから、十字架と復活の神の御業から、その愛に打たれて悔い改め、信じる小さな人から始まりました。聖霊なる神は今も働いて、ただ主を仰いで信じる人を変え、祝福の基として用いられるのです。