2019年6月30日の説教要約
「助け主」 村岡貞海牧師
中心聖句<14:16わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。>
ヨハネによる福音書13章から17章には、受難を受ける前日のイエスのことが書かれています。
イエスは自分が十字架の死によって、この世を去ることを知っていました。イエスの愛する弟子たちと最後の晩餐をして、世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれておられました。
13章でイエス自ら弟子たちの足を洗い、愛することの手本を見せてくださいました。しかし、イエスは何回も弟子たちと離れることを話されます。びっくりした弟子たちは質問をします。14章では弟子の質問とイエスの答えが書いてあります。
イエス様はいつも弟子たちと一緒にいて強め支えてくださいましたが、イエス様が人々の罪を背負い、十字架に死ぬのであれば、救いの祝福は、約束は、奇跡は終わったかと思います。
そうではありません。神様の救いの祝福は続いています。神様の約束は続いています。神様の奇跡は続いています。
イエス様の十字架に架る前の日に、話された教訓を通して、特に今日は聖霊の働き(弁護者すなわち助け主)を約束してくださっています。
その中で今日の本文から16節を中心に御言葉を見たいと思います。
1、 わたしの父にお願いする。
2、 助け主を送ってくださるように。
3、 いつまでもあなたがたと共におられる。
教会の図書に「レッツ ロール」の本を見ました。アメリカの9.11の時にハイジャックされた飛行機で、最後に勇敢に戦い多くの人々の命を守ったトッドと言う人の話です。飛行機が墜落する前の最後の15分間の電話の内容が書いてありました。
残された妻がこの本を書いています。最愛の夫であり、私の英雄である、トッドへ
神を愛し、私たちを慈しみ、どんな時もひたむきだった人。
忍耐強く、思いやり深く生きることを教えてくれてありがとう。
これからもあなたを愛し、そしてこの人生の旅路を生き抜くことを約束します。
また合う時を楽しみに…。この文書から、本は始まります。
トッドが乗った飛行機は、イスラム過激派の人々にハイジャックされました。犯人たちは飛行機を奪いワシントンに向かわせました。
多くの人の命を奪うためでした。それに気が付いた乗客の4人が、お互いに合図をして、決意を決めました。犯人と戦って、被害を最小限に留めました。それはトッドと乗客の勇気ある行動によるものだったそうです。
「神を信頼して、これから行動をおこそうと思います。」トッドはそう言って、最後に乗客たちは主の祈りを暗唱し、続いて詩篇23篇を暗唱し…最後のトッドの言葉「準備はいいか?さあ行くぞ。レッツ ロール」。
飛行機にあったコッピットのボイスレコーダーと地上と繋がっていた携帯電話から聞こえた言葉です。
彼を忍ぶ教会の人々の送り言葉です。とびきり素敵な友人がいました。多くの人を、死をもって救ってくれたその人。彼は心から神を信じていました。一歩一歩、人生を 信仰を持って歩んだその人。問題がある時は、まず祈り、たとえ目に見える結果に満足できなくとも、勇気を持って行動したその人…。と続きます。
イエスは耐え難い苦しみを前にして、この16節の言葉を弟子たちに約束して下さっています。
1、 わたしの父にお願いする。
ヨハネによる福音書は父なる神様が独り子イエスに語る言葉、イエスが父に願い祈る言葉があります。神の子イエスのことが書かれています。イエスを見れば、父なる神様を知ることができます。
そして、イエスは父なる神様に祈り願います。先ず祈る謙虚な姿です。
イエスは十字架を前にして、誰よりも孤独な時であったと思います。しかし、弟子たちのために父にお願いをしています。
私たちの孤独は神様を正しく知る時に、消え去ることができるそうです。
他人を愛せない時、他人を見ても愛は生まれません。憎む人を見れば見るほど憎しみが沸きます。そればかりか、愛そうとしますが、受け入れてくれず、誤解して違うことを言う現実があり、私たちの愛は尽きてしまいます。
しかし、イエスの愛を見ていれば、自分の傷ついた心は癒されて行くことを体験します。今イエスの慈しみと愛は、父にお願いをします。自分がいなくなれば悲しむ弟子たちの為に、父にお願いします。
私たちも問題があれば、先ず天の父に祈りましょう。
2、 助け主を送ってくださるように。
助け主とは人を助ける為に送られた者という意味があります。
ある人のために、代弁したり、相談したり、慰めたりとする者を助け主と言います。イエスは、世の弟子たちのために父にお願いをして、助け主を送ってくださると約束してくれました。問題と試練に会う時に、私たちは覚えるべきことがあります。主イエス・キリストが約束してくださいました。助け主を送ってくださったことを忘れない事です。助け主は私たちの隣に立って下さる方です。傍らに立って私たちの話を聞いてくれて、相手をしてくれて、対応をしてくれる方です。助け、慰め、相談してくれます。
イエス様は私たちに助け主を紹介して下さっています。
私たちは知らない人を警戒して、信頼しませんが、親しい友人や先生に紹介されると心を開き受け入れ易くなります。
このようにイエスは自分がこの世を去ることで悲しむであろう弟子たちにイエスと同じ働きをされる助け主を送ると約束されたのです。
3、 いつまでもあなたがたと共におられます。
イエスとの別れは、悲しみ憂い、苦しみでした。耐え抜くことが出来るでしょうか。
出会いと別れは不安と苦悩をも感じさせますが、イエスは助け主による導きと共におられると言う約束を忘れないようにと話されています。別れは天への希望と永遠を思う心を与えているのです。私たちへの祝福として与えられます。
トッドの奥さんは幼い三人の子供と夫の死をどのように受け止めれば良いかと苦しんだそうです。「準備はいいか? さあ行くぞ!」人々の為にこの世を去りました。トッドはここにはいないんだわ! 神をのろって自殺する理由が十分ありましたが、悲しみにふけることをしなかったのです。
その代わりに、危機的な状況の中で、神に目を向け、神を信頼する道を選びました。毎日の歩みの中で、目に見えない神に期待していこうと決心したのです。
永遠に、いつまでもあなたがたと共におられる助け主を受け入れ、祝福の人生を歩みます。トッドの妻は、トッド基金を募りました。伴侶を亡くした方の力となり、またその子ども達の将来が素晴らしいものになる事を願ってやみません。
イエスはわたしがいなくても、奇跡は続きます。わたしがいなくても、約束は続きます。わたしがいなくても、祝福は続きます。と約束してくださいました。
聖霊の働きを信じて日々歩みましょう。