2021年12月18日の説教要約 「天使ガブリエルのお告げ」

2021年12月18日の説教要約

      「天使ガブリエルのお告げ」   中道善次牧師

 

≪天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方、主があなたと共におられる。」≫

                        (ルカ1章26~38節)

 

 マリアへの受胎告知は、ルカ福音書に記されております。

 受胎告知を行ったメッセンジャーは天使ガブリエルであります。

 旧約聖書新約聖書の両方に出てくる天使がいます。それがガブリエルです。

 今日のヘブライ語はガブリエルであります。

 ガブリエルは、ヘブライ語で「力ある神」という意味であります。

 ガブリにあたるヘブライ語、ギッボールが「力ある」、そして、エルが神です。

 クリスマスに読まれる聖書の箇所にイザヤ9章があります。

 そこには生まれてくるメシヤ(キリスト)を次のように呼んでいます。

 イザ 9:5 ひとりのみどりごがわたしたちのために生れた。ひとりの男の子が私たちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神(エル・ギッボール)、永遠の父、平和の君」と唱えられる。

 ガブリエルの名は、聖書に4回だけ出てきます。旧約聖書ダニエル書8と9章、そして新約聖書ルカ福音書1章に2回、出てきます。

 またガブリエルという名前では出てきませんが、マタイ福音書の1章のヨセフの夢に現れて、神様からのメッセージを告げた天使もそうであると思われます。

 

1、あなたを守る天使の働き

聖書には7人の天使がいるといわれます。

それは七つの教会を守る七人の天使という言葉から7人であるといわれているようです。

黙 1:20 あなたは、わたしの右の手に七つの星と、七つの金の燭台とを見たが、その秘められた意味はこうだ。七つの星は七つの教会の天使たち、七つの燭台は七つの教会である。

そのうちの二人の天使の名前を紹介します。

ミカエル 「誰が神のような者か」 イスラエル守護天使

ガブリエル 「力ある神」  神からのメッセージを伝える役目

ユダヤには「守護天使」という考えがあります。

国のことでいうなら、ミカエルがイスラエルを、そしてダニエルを守る守護天使であります。

それが記されているのがダニエル書であります

ダニ 10:13 ペルシャ王国の天使長が二十一日間わたしに抵抗したが、大天使長のひとりミカエルが助けに来てくれたので、わたしはペルシャの王たちのところにいる必要がなくなった。

それだけでなく、私たち一人一人にも守護天使がいる。私たちを守ってくれる天使がついているのです。それが書かれているのが使徒言行録12章です。使徒12章では、ペトロが牢獄から救出された物語が書かれています。

使徒 12:11~16 ペトロは我に返って言った。「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、わたしを救い出してくださったのだ。」こう分かるとペトロは、マルコと呼ばれていたヨハネの母マリアの家に行った。そこには、大勢の人が集まって祈っていた。門の戸をたたくと、ロデと言う女中が取り次ぎに出て来た。ペトロの声だと分かると、喜びのあまり門を開けもしないで家に駆け込み、ペトロが門の前に立っていると告げた。人々は、「あなたは気が変になっているのだ」と言ったが、ロデは、本当だと言い張った。彼らは、「それはペトロを守る天使だろう」と言い出した。しかし、ペトロは戸をたたき続けた。彼らが開けてみると、ペトロがいたので非常に驚いた。

その言葉から、ペトロを守る天使がいた。彼らがそう考えていたことが分かります。

私は、聖書が告げる守りの天使を、単なる知識だけでなく、個人的にも信じております。

それを最初に教えてくれたのはアメリカから来た宣教師でした。彼女は、天使が取り囲んで私たちを守ってくれるように、よく祈っていました。

日本に何度も来て武道館や東京ドームでメッセージを語ったアメリカの有名な伝道者ビリー・グラハムという人が「天使」という本を書きました。

夜に道に迷って人が誰も通りかかることがない場所に、すっと人が現れて道案内をしてくれた。そして気がついたら、その方はいなくなっていた。そのような経験が数多く記されているのです。

神様は、あなたを見て、あなたを守られるのです。そして必要な助けを与えてくださるのです。あなたにも不思議な天使の守りがあるのです。

 

2、ガブリエルの使命

受胎告知で登場するガブリエルは、神からのメッセージを告げる役目をもっております。

ガブリエルは、ダニエルにメッセージを届けました。あなたに幻の意味を教えます。

ダニ 8:16 すると、ウライ川から人の声がしてこう言った。「ガブリエル、この幻をこの人に説明せよ。」

もう一回は、あなたの祈りはすでに聞かれています。祈りの答えを運んできてくれるのです。

ダニ 9:21~23 こうして訴え祈っていると、先の幻で見た者、すなわちガブリエルが飛んで来て近づき、わたしに触れた。それは夕べの献げ物のころのことであった。彼は、わたしに理解させようとしてこう言った。「ダニエルよ、お前を目覚めさせるために来た。お前が嘆き祈り始めた時、御言葉が出されたので、それを告げに来た。・・・

次にイエスの母であるマリアとヨセフに対して、ガブリエルが告げているメッセージがあります。

その第一は、ルカ福音書1:28です。「おめでとう、恵まれた方」

これは単なる挨拶の言葉ではありません。恵まれた方を英語でいうなら、you are blessed

あなたは祝福されています。神様から祝福を受けているのです。

同じメッセージを、神は天使を通して、あなたに語られます。

第二のメッセージは、ルカ1:37です。神にできないことは何一つない。

救い主の母になると告げられてマリアは当惑しました。

当時のイスラエルでは、1年の婚約期間を過ごしてから結婚します。

マリアからすると、妊娠は身に覚えのないことです。婚約者ヨセフとは清い関係でいたのです。

だから、どうしてそのようなことがありましょうか?

それに対して、天使が告げるのです。「神にできないことは何一つない」

私たちが、不可能だと思うこと、とても無理だと思うこと。

それに対して、神様は、神にはできないことはない。そう言って、力を与えて下さるのです。

第三のメッセージ、それは夫ヨセフへのメッセージです。

マリア身に覚えがなかったように、夫となるヨセフにも、自分には身に覚えがない。

それなのにマリアのおなかが大きくなる。普通なら、マリアは自分を裏切った。怒って、訴えて、石で撃ち殺すこともできたのです。しかし優しいヨセフは、静かに身を引こうとしたのです。

マタ 1:20 このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。

それぞれが直面する状況は違いますが、今も天使は、私たちを力づけてくれるメッセージを運んできてくれるのです。