先週の説教要約 「人間の本分」

○先週の説教要約
『人間の本分』                      上中栄牧師
《すべてに耳を傾けて得た結論。「神を畏れ、その戒めを守れ。」これこそ、人間のすべて》。
(コヘレト12:1−14、ルカ10:38−42)
《青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ》と、知恵者コヘレトは勧めます。若い時は、大人への反発もあるでしょう。大いに批判し、不平・不満に終わらせず、よく考えて自分を作り上げるべきです。その際、《創造主》を計算に入れるのです。創造信仰をバカにする人もいますが、これは現代社会の価値観の土台として重要です。例えば、「人は生まれながらに自由で平等」という人権理解の土台は、創造信仰です。最近の改憲論議で、創造信仰を軽視する人たちは、人権も軽視する傾向があります。覚えておくのも良いでしょう。
しかし、年を重ねてもクリエイティブで、魅力的な生き方をしている人もいます。聖書によれば、それは人間の本分をわきまえた知恵を得た人です。
それはまず、《神を畏れ》る、つまり神を神と認めることです。私たちは、神は自分を守り、幸せにしてくれる方だと考えがちですが、創造主を計算に入れるという時、順境で感謝し、逆境で自らを省みられるでしょうか。よく、教会や牧師に悪態をついた人が不幸に見舞われたという話しを聞きます。それが罰(バチ)だとは思いませんが、日常のさまざまな出来事の中で、神の恵みとともに、人間は神の前に罪深い存在であることを、知る感性は大切です。
そして《戒めを守》る、すなわち神の言葉を聞くのです。これが《人間のすべて》です。主イエスも、み言葉に聞くのは人間に必要な《ただ一つ》のことと言われました。この聖句のすぐ前に登場する律法の専門家は、聖書に詳しくても神のみ旨を聞き取れずにいました。人間の罪深さは、聖書を読んでいるようで、また人間の本分が分かっているようで、実は分からないことです。
しかし主イエスの十字架の死と復活によって、私たちは新しく造られます。この神を畏れ、そのみ言葉に聞く時、私たちの生活は豊かにされるのです。