先週の説教要約 「聖なる交わり」

○先週の説教要約
『聖なる交わり』                      上中栄牧師
《最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと》。(Ⅰコリント15:1−11)
教会は伝統に生きるところです。伝統には古臭いというイメージもありますが、伝統のない教会は教会ではありません。伝統には「手渡す」という意味がありますが、教会には継承すべき大切なものがあるのです。リレーや駅伝のように、選手個人の能力も大切ですが、最終的にはチームの力が勝敗を決します。教会はそのようなところです。そしてバトンや襷を渡すように、教会が継承すべき事柄にもその器のようなものがあります。
それは、聖書を信仰と生活の規範とする信仰、イエスが主であると言い表す信仰、そして神の言葉を語り、聞く役割を持つという信仰です。これらは、「正典・信条・職制」と言い、世界中に広がるキリスト教会の正統信仰の標識などとも呼ばれます。教会は様々な問題に直面します。その時に私たちは、自分の願望や自分が正しいと思うことで問題を判断しようとします。しかし本来は、この正典・信条・職制に照らして教会の問題を考え、教会が伝えるべきものを伝えているか、考える必要があります。
パウロがここで言っているのは、まさにそのことです。いろいろな問題をかかえているコリントの教会に対して、信仰の継承を訴えています。その内容は、キリストが私たちの罪のために死なれたこと、復活されたこと、すなわち福音です。福音が語られるところに、教会の交わりが生まれます。教会の交わりというと、喜びや悲しみを共有する親密さなどと捉えられがちですが、それは副産物であり、大事なのは福音、罪の赦しが、救いの言葉として語られることです。それが他人事ではなく《わたしにも現れました》という救いの出来事が、教会で継承されていくのです。恵みの言葉を聞き、伝える者となりましょう。