2023年1月1日の説教要約 「一生感謝」

2023年1月1日の説教要約

                         「一生感謝」    中道由子牧師

 

《どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。》  (テサロニケの信徒への手紙一5章18節)

 

1、10パーセントの感謝の人

 ルカによる福音書17章に登場する皮膚病患者の十人のうちの一人しか感謝しませんでした。病が癒された九人も有難いと思う心は持っていたのかもしれません。しかし、それを表しませんでした。

一人の人はありがたいという思いをその時の気分で終わらせはしませんでした。

記憶し、考えたのです。そして戻って来てイエス様の足元にひれ伏し、最高の感謝を表したのでした。その人はユダヤ人ではありませんでしたが、イエス様から、「あなたの信仰があなたを救った」とさらに素晴らしい贈り物をいただきました。

 「感謝」thankと、「考える」thinkは、語源が一緒だそうです。

「考える」は「記憶する」の語源とも関連しています。

「考える」「記憶する」「感謝する」は、みな同じ血筋に当たる兄弟のような言葉なのです。ジョン・クゥアン先生は、「感謝は、単純にその時感じるありがたい気分の情緒的反応ではなく、考え、記憶する認識と意志の領域である。」と言っておられます。

歩んできた人生を考え、神様がくださった贈り物を覚えて意識して感謝することです。

この皮膚病が癒された異邦人は癒された感謝を覚え、そうだ、イエス様に戻ってお礼を言おうと考えて行動した人でした。

ありがたい気分をそのままにしておくとどうなるでしょう?

九人は、癒されたことが大したことではなく、当たり前のことになってしまいました。

しかし、十人目の人は戻ってイエス様の足元にひれ伏して、感謝をささげました。

病をいやしてくださったイエス様に感謝をささげるのは当然と考え、実践したのです。

私たちはこの10パーセントの感謝をささげる人になりたいと思います。

 

2、小さな感謝の習慣

 誰もがそうであるように、環境が良い状態の時は感謝する心が自然に湧き上がってきますが、つらく苦しい時には不安と心配、焦りと緊張で、力も喜びもなくなってしまいます。そして、うまくいかない時には不平を言って嘆き、周囲の人を責める気持ちになってしまいます。

 不平の原因の多くは、比較意識から始まるようです。

誰誰は経済的にも保証されているのに、自分は苦労している、どうして自分だけにこのような不運が起きてしまうのか。あるいは、予想していたことより、悪い結果となった。

出エジプトしたイスラエルの民はまったくそうでした。水がない、喉が渇いたと言ってはモーセに文句を言い、エジプトにいた時には食べ物に困らなかったと言っては、神を恨みました。

 不平、不満、心配や恐れは、サタンを喜ばせます。

もしサタンの聖書があったら、こう書かれていたというのです。

「いつも落ち込んでいなさい。

絶えず恨みなさい。

すべてのことについて不平を言いなさい。」

これが、サタンがあなたがたに臨んでいることです。

感謝を選ぶのも、不平を選ぶのも私たちの選択にかかっています。

平凡な日常のありがたみに目が開かれ、小さな感謝をする人にならせていただきたい。

今日の聖書の箇所にも「どんなことにも感謝しなさい。」と書かれています。

それは、自分の都合の良いことばかりではないでしょう。都合が悪く、この中からどんな感謝をすることができるのか、と思うことも起こって来るかもしれません。

でもここは、命令形で書かれています。その中で感謝することを捜して、感謝するのは、神が喜ばれる神のみこころです。私たちはそれを自分の意志を持って選択していきたい。そこにこそ祝福があり、喜びにつながるのです。

そして、脳に感謝の道筋ができるというのです。

どんなことにも感謝という条件反射ができるようになりたいと思います。

感謝はブーメランのように戻ってくると言います。

今年感謝のブーメランを一緒に飛ばしましょう。

 

3、感謝する人の人生

 感謝しながら生きる人は、そうでない人よりずっと健康で幸せだと、言われます。

感謝しない心と肉体は病気にかかりやすくなります。

身体は感情に敏感に反応するため、感謝すると脈拍が安定して、胃腸の働きを助け、消化を促して気分までさわやかにさせるため、健康になるそうです。

 前アフリカ共和国の大統領である、ネルソン・マンデラは長い間牢獄に閉じ込められていました。彼は46歳からおよそ27年間牢獄生活を送りました。これは人生の3分の1にあたる期間です。多くの人は、彼が激怒と挫折感の中で健康を害し、さらに命を絶とうとするのではないかと心配しました。

しかし、マンデラ氏は監獄生活の中で「激怒」の代わりに「感謝」を選びました。

出獄した日、彼は70歳を過ぎていたにもかかわらず、とても元気で健康な姿で監獄から歩いて出てきました。マンデラ氏は監獄で、神様に常に感謝をささげていました。

天を見上げて感謝をし、地面を見て感謝をし、水を飲みながら感謝し、食事をする時も感謝し、強制労働をする時も感謝し、常に感謝をしていたため、健康を保つことができたのです。 私たちも憤りや不平の代わりに、感謝を選びたい。

この一年も小さな感謝を日々ささげ、ともに歩んでまいりましょう。